お風呂リフォームの中でも、近年ますます注目を集めているのが「ユニットバス」へのリフォームです。
昔ながらのタイル張りの在来浴室は、カビやヒビ割れが気になる・冬場は冷たくて寒い・掃除がしにくいなどの悩みを抱えやすいものですが、ユニットバスにリフォームすることで、見た目も使い勝手も一新され、毎日のバスタイムが快適なひとときに変わります。
一方で、「リフォーム費用はいくらかかるの?」「どのメーカーやグレードを選べば良い?」「工事の流れや注意点が分からない」といった疑問や不安も多く、安易な選択で後悔してしまうケースも少なくありません。ユニットバスは決して安い買い物ではなく、間取りや希望する機能、デザイン性などで価格も大きく変わるため、事前に正しい知識を身につけておくことが重要です。
本ページでは、ユニットバスの基礎知識からリフォーム工事の流れ、費用相場、人気メーカーやグレードの違い、選び方のコツ、オプション機能の考え方、見積もり時の注意点、よくある疑問まで、実際にリフォームを成功させるためのポイントを徹底的に解説します。
「家族が安心して使えるバスルームにしたい」「なるべく費用を抑えたい」「せっかくなら最新の機能やおしゃれな空間にしたい」と考える方にも役立つ、実践的な情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
理想のバスルームを実現するために、納得できるユニットバスリフォームの第一歩を踏み出しましょう。
ユニットバスとは?基礎知識とリフォームのメリット
お風呂リフォームで「ユニットバス」と聞く機会が増えていますが、そもそもユニットバスとはどんなお風呂なのでしょうか。ここでは、基本的な特徴や、在来工法との違い・リフォームによるメリットを分かりやすく解説します。
ユニットバスの定義と構造
ユニットバスとは、浴槽・床・壁・天井などを一体型で工場生産し、現場でパーツを組み立てて設置する浴室のことです。
- 「システムバス」「システムユニットバス」と呼ばれることも
- パネル式のため、現場でタイルを一枚ずつ貼る在来工法に比べ、短工期&高い防水性を実現
- 気密性・断熱性が高く、掃除もラク
現在の新築住宅や分譲マンションではほとんどがユニットバスです。リフォーム需要も年々高まっています。
在来工法との違い・メリット
在来工法浴室は、モルタルやタイル・木材などで現場施工する昔ながらの作り方。自由度は高い反面、防水性や断熱性、掃除のしやすさで課題が残るケースが多いです。
ユニットバスにリフォームすることで得られる主なメリットは以下の通りです。
- 工期が短い(3日~1週間が目安)
- 高い防水性で水漏れトラブルを防ぐ
- 浴室が暖かくなり、冬のヒートショック予防にも◎
- バリアフリー・省エネ・最新機能が標準搭載されているモデルも多い
- カビや汚れが付きにくく、掃除がしやすい
- デザインやサイズのバリエーションも豊富
ユニットバスリフォームの主な工事内容と流れ
リフォーム工事の流れを理解しておくと、スムーズに準備や打ち合わせができます。ここでは、ユニットバスリフォームの代表的な工程と、期間の目安を紹介します。
解体から設置までの工程
- 現地調査・採寸・プラン決定
既存浴室のサイズや構造、給排水位置などを細かくチェック。希望するメーカーや機能をもとに最適なプランを作成します。 - 既存浴室の解体・撤去
古い浴槽・壁・床を解体し、配管や下地の状態も確認。タイルや土台の劣化が見つかれば補修も行います。 - 給排水・電気配線工事
新しいユニットバスに合わせて、配管や電気配線を調整します。場合によっては給湯器や換気扇の交換も。 - ユニットバスの搬入・組み立て
工場で生産されたユニットバスを現場に搬入し、パネル・浴槽・床・天井などを順に組み立てていきます。 - 仕上げ・設備取り付け
水栓金具やシャワー、ミラー、照明などを設置し、動作確認・清掃を行って完了です。
リフォームにかかる期間の目安
- 標準的な工事(ユニットバス→ユニットバス):3~5日
- 在来工法からユニットバスへのリフォーム:4~7日(下地補修や配管工事含む)
土台や配管の劣化が大きい場合や、マンション・戸建てによる制約、サイズオーダーなどで、1週間以上かかることもあります。
業者との打ち合わせ時に、工事期間・仮住まいの必要性・工事中の入浴手段も必ず確認しましょう。
リフォーム費用の相場はいくら?
ユニットバスリフォームの費用は、サイズや設備、工事範囲によって幅があります。ここでは標準的な費用目安と、費用が変動するポイントを整理します。
標準的な費用目安
- ユニットバス交換(同サイズ・標準仕様)
約60万円~100万円 - 在来浴室からユニットバス化(補修・配管調整含む)
約80万円~140万円 - ハイグレードタイプやオプション多数の場合
150万円以上
※費用は「本体+工事費」の合計です。
地域差・工事内容・既存浴室の状態によって前後します。
費用を左右するポイント
- 浴室サイズ(1216・1616・1620等)
大きいほど本体価格・工事費ともにアップ - 選ぶグレードやオプションの数
浴室乾燥機・断熱材・ミストサウナ・ジェットバスなど - 配管や土台の補修が必要かどうか
劣化が激しい場合、追加費用が発生 - マンションか戸建てか
マンションは搬入経路や構造制約で費用増になることも - 現地調査・追加工事の有無
複数社から見積もりをとり、費用の内訳や追加工事のリスクをしっかり比較しましょう。
メーカー・グレードごとの費用比較
主要メーカーごとの特徴や、グレード・サイズ別の価格帯を知っておくことで、納得のいく選択がしやすくなります。
主要メーカー(TOTO・LIXIL・パナソニックなど)の特徴
- TOTO
お掃除ラクラク機能や断熱浴槽、ほっカラリ床など独自技術が充実。デザインも豊富で信頼性が高い。 - LIXIL
コスパの良いスタンダードモデルから高級グレードまで幅広いラインナップ。独自のキレイユニットや断熱仕様も人気。 - パナソニック
スゴピカ浴槽や美泡湯、酸素美泡水など“美容”や“掃除”を意識した機能が特徴。マンション対応モデルも多い。
その他、クリナップやタカラスタンダードなども人気。
それぞれに得意分野や独自機能があるので、ショールームで実物体感がオススメです。
グレード・サイズ別の価格帯
サイズ・グレード | スタンダード | ミドルグレード | ハイグレード |
---|---|---|---|
1216(0.75坪) | 約60~80万円 | 約80~110万円 | 120万円以上 |
1616(1坪) | 約70~90万円 | 約90~130万円 | 140万円以上 |
1620(1.25坪) | 約90~110万円 | 約110~150万円 | 160万円以上 |
(本体+標準工事費込みの目安。メーカー・オプションにより増減)
ユニットバス選びで失敗しないためのチェックポイント
ユニットバスのリフォームは、選ぶ際のポイントをしっかり押さえておくことで、失敗や後悔を防ぐことができます。ここでは、サイズ・間取りとの相性や、機能・デザインの選び方について解説します。
サイズ・間取りとの相性
- 現状の浴室サイズを正確に把握することが最優先
「1216」「1616」など、ユニットバスには規格サイズがあります。現在の浴室がそのまま入れ替えできるサイズなのか、または間取り変更や土台補修が必要かは現地調査で判明します。 - 扉の位置・開き方も要チェック
引き戸や折れ戸、開き戸の違いで使い勝手や開閉スペースが変わるため、脱衣所の広さや家族構成を考えて選びましょう。 - 天井高・窓位置・配管位置の確認
マンションや古い住宅では、標準サイズがそのまま入らない場合もあります。リフォーム業者に現場採寸をしっかりしてもらいましょう。 - 洗面台・トイレとの兼ね合い(2点ユニット・3点ユニット)
ワンルームや小規模物件では「浴室+洗面台」「浴室+トイレ+洗面台」一体型のユニットも。用途や生活スタイルに応じて検討を。
機能・デザインの選び方
- 必要な機能・優先順位を明確に
「掃除のしやすさ」「断熱性」「浴室乾燥機」など、何を重視するかリストアップしましょう。 - お手入れ性をチェック
カビの発生しにくい床・壁材や、ワンタッチで外せる排水口などは、毎日使ううえで大きなポイントです。 - カラー・デザインの選択肢が豊富
壁パネルや浴槽カラーを選ぶことで、好みの空間を演出できます。家族で相談し、ショールームでサンプル確認を。 - バリアフリーや将来の介護も視野に
出入口の段差をなくしたり、手すりを設置できるか、浴槽のまたぎ高さを低くできるかなどもチェックしておくと安心です。
省エネ・バリアフリー機能は必要?オプションの選び方
最近のユニットバスは、快適性を高めるさまざまなオプションが用意されています。
省エネ・バリアフリー性能や、お掃除をラクにする機能など、自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。
断熱・節水・掃除のしやすさ
- 断熱浴槽・断熱フタ
お湯が冷めにくく、追い焚きの回数が減るため、光熱費の節約にもつながります。 - 高断熱の床材・壁パネル
冬でもヒヤッとせず、素足で入っても快適。浴室全体の温度ムラも防げます。 - 節水シャワー・節水水栓
近年は標準装備のモデルも増加。年間数千円単位で水道代の節約になることも。 - お掃除ラクラク機能
排水口のゴミ受け、鏡のくもり止め、壁や床の防カビ加工なども人気です。
バリアフリーや介護対応の工夫
- 浴室出入口の段差解消
- 浴槽のまたぎ高さを低くする
- 手すりの標準設置や後付け対応
- 滑り止め床材の採用
- 介護スペース確保のための間取り調整
将来を見据えて選ぶことで、長く快適に使える浴室になります。
バリアフリー対応は介護保険や補助金の対象となる場合もあるので、条件も確認しておきましょう。
見積もり・契約時に注意すべきこと
ユニットバスリフォームのトラブルは、「見積もり内容の誤解」や「追加費用」「保証条件の見落とし」から起こることが多いです。
契約前に必ずチェックしておきたいポイントをまとめます。
見積書の見方と比較ポイント
- 総額だけでなく、内訳を必ず確認
本体価格・工事費・オプション費用・諸経費(搬入費・廃材処分費など)が分かれているか - 標準工事に含まれる内容/含まれない内容
例:換気扇や浴室乾燥機の取付費用はオプションか標準か?
「養生費・廃材処分費が別途」などもよくある追加ポイントです。 - 追加工事や想定外の費用リスク
土台・配管の劣化、搬入経路の制約などで追加費用が発生しやすい部分を事前に確認。 - 複数社から相見積もりをとる
価格だけでなく、提案内容や保証・アフターサービスも比較しましょう。
追加費用・保証の確認
- 保証内容の違いを把握
メーカー保証(通常2~5年)だけでなく、施工業者の工事保証もチェック。
設備保証・工事保証・アフターサービスの範囲や期間を質問しましょう。 - 支払スケジュール・キャンセル規定
契約後に変更・キャンセルする場合の対応や、支払いタイミングも明確にしておきましょう。
よくある質問Q&A|ユニットバスリフォームの疑問を解決
工期・工事中の生活について
Q. 工事中はお風呂に入れなくなる?
A. 標準工事なら3日~1週間ほど浴室が使えなくなります。事前に近隣の銭湯や家族・親族宅の利用方法を検討しておきましょう。
Q. マンションでもリフォームはできる?
A. ほとんどのマンションで対応可能ですが、管理規約や共用部の制約があるため、必ず管理会社と事前に打ち合わせを。
アフターサービス・メンテナンス
Q. ユニットバスのメンテナンスは大変?
A. 最近のモデルは掃除のしやすい設計が多く、お手入れもラクになっています。
ただし、定期的な排水口掃除や換気は習慣づけましょう。
Q. 工事後のトラブルや不具合があった場合は?
A. まずは施工業者やメーカーのアフターサービス窓口に連絡を。
保証期間中は無償修理となる場合も多いです。
1. ユニットバスとは?基礎知識とリフォームのメリット(まとめ)
ここまで、ユニットバスの定義、在来工法との違い、リフォームのメリットを解説してきました。ユニットバスへのリフォームは、掃除やメンテナンスのしやすさ、防水性や断熱性、バリアフリー性の向上など、多くの面で暮らしの質をアップさせてくれます。次は、選び方の実践ポイントについてより詳しく見ていきましょう。
2. ユニットバスリフォームの主な工事内容と流れ(再整理)
ここでは、現地調査から完成までの主な工程をあらためて整理し、追加で発生しやすい注意点も補足します。
- 現地調査・採寸・プラン決定
既存の構造や配管状態の確認、浴室サイズ測定。サイズや搬入経路の確認が特に重要です。 - 解体・撤去
既存の浴槽・壁・床の撤去。下地や土台の劣化発見による追加補修が発生する場合も。 - 配管・配線工事
新しい浴室設備に合わせて配管位置を変更。古い給排水管は更新推奨。 - ユニットバスの組立・設置
工場生産されたパネル・床・浴槽・天井を現場で組み立てます。防水・断熱工事も同時進行。 - 各種設備の取付・仕上げ
照明、シャワー、ミラー、収納、カウンターなどを設置。最終的に水漏れや動作確認、清掃を実施。 - 完工・引渡し
施主による最終確認を行い、不具合がなければ完了です。
工事中の生活面でのポイント
- 騒音や搬入出の時間帯は、近隣やマンション管理規約にも注意。
- ゴミやほこりが出るので、脱衣所や隣接部屋の養生も大切です。
- 3日~1週間ほど浴室が使えないため、入浴計画を事前に立てましょう。
3. ユニットバスリフォーム費用の相場とコストを抑えるコツ
ユニットバスのリフォーム費用は、「本体価格+工事費+オプション費用+追加工事費」の合計で構成されます。
ここでは、相場の再確認とコストダウンのための工夫を紹介します。
標準的な費用相場
- スタンダードグレード(1216サイズ・オプション少なめ)
約60万円~90万円 - ミドルグレード(1616サイズ・設備充実タイプ)
約80万円~120万円 - ハイグレード(広め・最新機能搭載・高級感重視)
120万円~180万円以上
※戸建てとマンションで大きな差はありませんが、古い住宅や特殊な間取りの場合は追加工事費がかかる場合も。
コストダウンのポイント
- 必要なオプションを絞る
浴室乾燥機やミストサウナ、ジェットバスなどは便利ですが、不要な機能は削減すると費用が抑えられます。 - 複数社の見積もり比較を徹底
同じ工事内容でも数万円~十数万円の差が出ることも。
見積もり内容(工事範囲、標準工事・オプション・諸経費の内訳)を比較しましょう。 - メーカー直販・セール時期を狙う
大手メーカーの期間限定キャンペーンやモデルチェンジ前の型落ち品は割引率が高い場合があります。 - 助成金・補助金制度を活用
省エネ・バリアフリー工事なら自治体の助成金や補助金が使えることも。事前に条件を確認しましょう。
4. メーカー・グレードごとの特徴と価格帯
ユニットバスの価格や性能は、メーカーやグレードによって大きく異なります。各社の人気商品や特徴、グレードごとの標準価格帯を整理します。
主要メーカーの特色
- TOTO
断熱性・お掃除のしやすさに定評。標準グレードでも高機能。
人気モデル:サザナ、マンションリモデルバスルームなど - LIXIL
選択肢が幅広く、コスパ重視~高級路線まで対応。
人気モデル:リデア、アライズ - パナソニック
独自の美泡湯、酸素美泡水、スゴピカ素材など機能性重視。
人気モデル:オフローラ、MR - クリナップ、タカラスタンダード
清掃性・耐久性・カラーバリエーションに強み。
グレード別の価格帯目安
サイズ/グレード | スタンダード | ミドル | ハイグレード |
---|---|---|---|
1216 | 60~80万円 | 80~110万円 | 110万円以上 |
1616 | 70~90万円 | 90~130万円 | 130万円以上 |
1620 | 90~110万円 | 110~150万円 | 150万円以上 |
メーカーの公式サイトやカタログ、ショールームで実物や色・質感を体感すると、後悔のない選択ができます。
次回は【まとめ】です。ご希望の場合は「まとめ」と入力してください。
ユニットバスリフォームのまとめ|後悔しないための最終チェックポイント
ユニットバスへのリフォームは、費用・機能・デザインの選び方次第で暮らしやすさが大きく変わる大きな住まいの投資です。本記事では、ユニットバスの基礎知識から、主な工事内容、費用相場、主要メーカーの特徴やグレード比較、失敗しない選び方、注意すべき契約ポイント、よくある疑問までを徹底的に解説しました。
【リフォーム成功のためのチェックリスト】
- 現地調査・サイズ確認を徹底し、自宅にぴったりのユニットバスを選ぶ
- 必要な機能・オプション・デザインの優先順位を明確にする
- 複数社の見積もりで内容・金額・保証条件を比較する
- 将来の家族構成やライフスタイルの変化も見越してバリアフリーや省エネ機能を検討する
- 契約時は追加費用や保証内容も細かく確認し、不明点は納得できるまで担当者に質問する
- 工事期間中の入浴・生活スケジュールも事前に準備しておく
特に「安さ」だけで選ばず、工事内容やアフターサービス、担当者の対応なども総合的に比較することが大切です。
また、リフォームの際は国や自治体の補助金・助成金制度が利用できることもあるので、活用できるか早めに確認しましょう。
ユニットバスリフォームは、家族全員が毎日使う大切な空間を、さらに快適で安心できる場所へ変える絶好の機会です。正しい知識と準備、丁寧な業者選びで、納得のいく理想のバスルームを実現してください。