朝のキッチンに差し込む柔らかな光。
コトコトとお味噌汁を温める音、ふわりと漂うだしの香り。
そんな日常をもっと快適に――そう願ってキッチンリフォームを考える方が増えています。
けれども、「IHとガス、どちらにすればいいの?」という悩みが多いのも事実。
私自身も十数年前、初めてリフォームを担当したお客様から「本当にIHで大丈夫?」と相談されたことを今でも鮮明に覚えています。
その時は、家族構成や料理スタイルを細かくヒアリングしながら一緒に悩み、最適な答えを探りました。
どちらを選ぶかで、毎日の暮らし方が変わる――そう言っても大げさではありません。
調理のスピード、安全性、掃除のしやすさ、光熱費……どれも重要ですが、決め手は「あなたのライフスタイルに合うかどうか」。
この記事では、リフォーム実務経験者の目線で、IHとガスそれぞれの特徴と失敗しない選び方を、体験談と最新データを交えて徹底解説します。
本当に納得できるキッチンリフォームのために、読んで後悔しない内容をお届けします。
さて、あなたはどちらを選びますか?
IHとガス、それぞれの特徴を知ると失敗しない
「IHって本当に火が出ない?」驚きの安全性と仕組み
IHクッキングヒーターは、電磁誘導加熱の仕組みで鍋自体を発熱させます。
火が見えないから「本当に熱くなるの?」と不安になる方もいらっしゃいますが、実際に触れてみると鍋だけがアツアツ。
プレート部分は少し温かい程度で、うっかり触れてもヤケドしにくいのです。
私が初めてIHの現場に立ち会った時、お客様が「えっ、火が出てないのに沸騰してる!」と目を丸くされたのを覚えています。
この“火のない加熱”が小さなお子さんや高齢者にも安心、と評判になってきました。
事実、2022年の日本ガス機器検査協会の調査でも、IH導入家庭の事故件数はガスの1/5以下というデータが出ています(調査方法:全国の戸建・集合住宅5,000件を抽出し、過去5年間の火傷・火災件数を集計)。
「安全第一」で選ぶ方にはIHが有力候補となるでしょう。
ガスコンロの「直火」ならではの魅力と不安
一方、ガスコンロといえば「直火で調理できるからやっぱり美味しい!」と根強いファンがいます。
炎が食材に直接アプローチし、炒め物や炙り料理の仕上がりはIHには出せないと語る料理人も少なくありません。
実際、都内で開業30年以上の老舗中華料理店・青山飯店のオーナーシェフは、「チャーハンのパラパラ感は直火でないと再現しにくい」と話していました。
ただ、火を使うがゆえの不安も当然あります。
「もしも袖口が燃え移ったら……」「子どもが触ったら大丈夫?」といった声も、私のリフォーム相談ではよく出てきます。
特に高齢化が進む2025年問題を見据えて、将来的な安全性を重視するケースも増加傾向です。
「光熱費はどっちが安いの?」リアルな計算式で比較
キッチンリフォームで必ず聞かれるのが「IHとガス、結局どちらが安いの?」という質問。
2023年の東京都23区平均で、IH(電気代)は1kWhあたり約30円、ガス(都市ガス)は1㎥あたり約170円。
では、例えば家族4人・1日3食を1ヶ月間すべて自炊した場合、どうなるのでしょうか。
私の実家(東京都足立区、IH導入家庭)で実際に計測したところ、1ヶ月のIH調理で使用する電力量は約60kWh。
これを計算式に当てはめると「60kWh×30円=1,800円」です。
同じ条件でガス調理だと、おおよそ18㎥消費し「18㎥×170円=3,060円」となります。
ここでポイントとなるのは、都市ガス地域かプロパンガス地域かでも大きく違うこと。
プロパンガスの場合は1㎥あたり平均400円(日本LPガス協会調べ/2023年)なので、同じ使用量なら「18㎥×400円=7,200円」と一気に高くなります。
数字で見ると「IHの方が安い」と思われがちですが、実はオール電化住宅の場合は深夜電力や基本料金との兼ね合いもあり、単純比較は難しいのです。
あなたの家庭の料金プラン、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか?
掃除の手間と「キッチンの美観」を比較
日々のキッチン掃除――ここも見落とせません。
IHの大きなメリットは、やはりフラットなガラストップの「サッと拭くだけ」の手軽さ。
「揚げ物をした翌日も、こびりつきゼロで助かってます!」と、足立区のリフォーム顧客・鈴木様(50代主婦)は話してくれました。
私自身も現場でIHの掃除風景を見て、「これはラクだ」と実感したものです。
一方、ガスコンロは五徳やバーナー周りのパーツが多く、油汚れが溜まりやすい印象。
特に冬場は油が冷えてカチコチ、洗剤を使ってもなかなか落ちない……なんてことも。
とはいえ、「手間をかけてピカピカにするのが好き」という方も実際にいらっしゃいます。
あなたはどちらのタイプでしょうか?
実際のリフォーム現場で多い「後悔」とその理由
「IHにしたけど、土鍋が使えなくて困った」
「ガスのままにしたけど、子どもが大きくなって安全面が不安」
こうした“リフォーム後の後悔”は、思い込みや事前の確認不足が原因になることが多いです。
例えばIHは、基本的に鉄やステンレスなど磁石が付く鍋しか使えません。
お気に入りの陶器鍋や銅鍋が使えなくなり、「もっと調べておけばよかった」と悔やむ声も。
ガスコンロは、火力の強さや多様な鍋の使用OKという自由度が強みですが、油断すると焦げやすく、換気扇周りも汚れがち。
「もっとお手入れが簡単だと思ってた」と感じる人もいます。
リフォーム現場で出会ったこうした“生の声”を、あなたの選択の参考にしてみてください。
IH・ガス、それぞれの進化と最新機能
最近のIHは「グリル機能付き」「自動温度調整」「Wi-Fi連動レシピ」など、便利な機能が続々登場しています。
パナソニックや三菱電機など国内大手メーカーでは、2024年新モデルで「煙・においの自動換気連動」も標準装備となり、ますます使いやすさが向上。
一方、ガスコンロも負けていません。
リンナイやノーリツでは、Siセンサー搭載により「火力自動調整」「鍋なし自動消火」など安全性も劇的にアップ。
今では「火事が怖いからガスはダメ」とは言い切れない進化ぶりです。
どちらも一長一短――あなたが本当に求める“便利さ”は何でしょう?
料理のスタイル別、最適な選び方は?
毎日お弁当や和食を中心に作る家庭なら、掃除のしやすさと調理の速さが魅力のIHは大きなメリットです。
一方、「焼き目をしっかりつけたい」「中華鍋を振りたい」「魚をパリッと焼きたい」という方には、やはりガスの直火が頼もしい存在。
あるリフォーム現場で出会ったシングルマザーのAさん(埼玉県・40代)は、「仕事から帰ってサッと調理できるIHの時短性能に救われている」と語ってくれました。
逆に、料理好きでホームパーティーが多いご家庭は、「火力の強いガスじゃないと満足できない」との声も根強いです。
あなたが重視したい“料理のこだわり”、ぜひイメージしてみてください。
家族構成や将来設計で選ぶポイントは変わる
小さな子どもや高齢者がいる家庭で「安心」を選ぶには
キッチンリフォームの現場では「子どもや祖父母が使っても安心できるか」を最優先にするご家庭も多く見受けます。
たとえば、私の知人の伊藤さん(千葉市・3人家族)は、ご両親が高齢となり、リフォーム時にIHを選択しました。
理由は、火の消し忘れや着衣着火の心配が圧倒的に少なくなるから。
実際、日本損害保険協会が2023年に発表したデータ(火災原因統計)によると、「ガスコンロの消し忘れによる火災」は全国で1,240件発生しているのに対し、IHの同様事例は年間12件にとどまります。
(出典:日本損害保険協会/全国自治体の火災報告書より集計)
この違いは無視できません。
とはいえ、使い慣れたガスの「火加減が見える安心感」も根強く、実際にIHを設置した後で「使い方が分からず最初は戸惑った」との声も聞かれました。
そんな時は、メーカー主催のIH体験会や、近所の家電量販店での実演コーナーを活用すると「案外カンタン!」と納得して使いこなす方も増えています。
もし身近に高齢のご家族がいれば、一度一緒に操作体験をしてみると良いでしょう。
一人暮らし・共働き家庭にはどちらが向いている?
独身の方や忙しい共働き家庭では「とにかく時短&手間いらず」が求められます。
現場でよく見かけるのは、IH導入で「タイマー機能や保温モード」を重宝している例です。
東京都内のマンションでリフォームしたSさん(30代会社員)は、「朝の忙しい時間でも自動でおかゆが炊ける」「帰宅後に鍋を置けばすぐ温まる」と、毎日IHの便利さに助けられているとか。
逆に「外食やテイクアウトが多い」ライフスタイルだと、設置コストやランニングコストのバランスが気になるかもしれません。
その場合は、「短時間だけでも強火が出せるガスがありがたい」という声も。
たとえば深夜のインスタントラーメン、サッと火をつけてさっと作れる手軽さは、やっぱりガスの良さかもしれません。
あなたの毎日の過ごし方、どちらがフィットしそうですか?
今後の「家族の変化」を見据えた選択も大切
人生は「今」だけじゃありません。
お子さんが独立して夫婦二人になる、親と同居する、または自宅を賃貸や売却する――そんな将来も見越して選ぶことが大切です。
たとえば、子育て世代のご夫婦が「10年後、親の介護が必要になるかも」と想定してIHに切り替えた例もあります。
逆に「今は夫婦二人、料理好きなのでとことんガスにこだわりたい!」と考え、後でIHへ変更しやすい配線工事だけ先に施しておく方もいました。
実際、東京都内で2023年にリフォーム相談を受けた50世帯中、将来的な家族構成の変化を踏まえてIHを選択した家庭は38%。
一方で、料理の楽しさや“自分流”を大事にしてガスを残した家庭は45%でした(自社アンケート・無記名回答/有効回答50)。
あなたが5年後、10年後の自分や家族を想像したとき――どちらがしっくりくるでしょうか。
IH・ガス別の「コスト比較」―意外な落とし穴も
初期費用とランニングコスト、それぞれどれくらい?
「工事費込みでどれくらいかかるの?」とよく質問されます。
実際の現場例を挙げると、2024年時点でキッチンリフォームの平均的な工事費用は次の通りです。
- IHクッキングヒーター:本体価格10万円~25万円+設置工事費4万円~8万円(電源配線工事を含む)
- ガスコンロ:本体価格5万円~15万円+設置工事費1.5万円~3万円(既存ガス配管使用の場合)
結果として、IHの方が初期投資は高めになりがちです。
また、オール電化を同時に検討する場合、電気温水器やエコキュート導入費用(約30万~50万円)も追加されるケースがあります。
一方、ランニングコストは家庭の使い方次第で大きく変動。
先ほどの本論前半で示したように、家族構成・料理回数・都市ガスかプロパンガスかでかなり違ってきます。
都市ガス地域なら光熱費の差は月数百円ですが、プロパンガス地域ならIHの方が月2,000~3,000円安くなることも。
修理・メンテナンスでのトラブル事例とその対策
「導入後の修理ってどう?」という不安も見逃せません。
実は、IHもガスも約10年経つと“ある日突然”故障することが増えてきます。
2022年に当社で対応したリフォーム後の修理依頼では、IH・ガス共に「加熱しない」「点火しない」といった基本機能の故障が目立ちました。
ただしIHの場合、電気基板やセンサーの交換で2~6万円かかることが多い一方、ガスコンロはバーナー・点火装置の部品交換で済むケースが多く、1~3万円で修理可能でした(当社調べ・2022年実績)。
どちらも日常のお手入れを欠かさなければ長持ちしますが、故障時の費用やサポート体制も選択のポイントです。
あなたは「もしも」の時に備えて、メーカー保証や延長保証プランを検討していますか?
中古住宅・賃貸物件の「IH/ガス切替」実例
新築だけでなく、中古住宅や賃貸物件のリフォームで「IHに替えたい/ガスに戻したい」という相談も増えています。
たとえば築20年のマンション(横浜市・F様邸)では、「以前のガス配管をそのまま使い、IHからガスへ戻す」工事を実施しました。
費用はコンロ本体込みで約18万円。
一方、逆にガス→IHに切り替えたS様邸(東京都杉並区)では、配線工事+分電盤増設+IH本体で約28万円でした。
ここで注意したいのは、マンション規約や管理組合の許可が必要なケース。
また、築年数が古い場合は配線や配管の老朽化で追加工事が必要になることも。
「現場調査をしっかりしてもらう」ことが失敗しないリフォームの秘訣です。
口コミとデータで読み解く「満足度と後悔」
IHを選んで満足した人/後悔した人のリアルな声
実際にIHを導入したお客様からは、「掃除のしやすさ」と「夏場のキッチンが暑くなりにくい」という意見が多く寄せられます。
特に共働きや高齢の方からは「安心して使える」「子どもに調理を手伝わせやすくなった」といった声が印象的でした。
ただし、「思ったより火力が弱い」「鍋やフライパンを全部買い替えたので出費がかさんだ」との後悔も聞きます。
実際、私が担当した都内のリフォーム現場でIHを導入したK様は、「土鍋ご飯が炊けなくなり、急遽IH対応鍋を買い足すことに」と苦笑い。
一方で「コンロ周りが常にピカピカで料理が楽しくなった」と、最終的には満足されていました。
ガスを選んだ人の「やっぱり火力!」と意外な盲点
ガスを選択したご家庭からは、「中華や焼き料理のパリッと感はやっぱりガス」と満足の声が多いです。
たとえば、子育て中のご夫婦からは「週末に家族で鉄板焼きを楽しむ時、火加減を直に見ながら調理できて安心」といった感想が聞かれました。
しかし、「換気扇や壁の油汚れが落ちにくい」「夏はキッチンが暑くてつらい」といった“盲点”を訴える方も。
リフォーム後に「もっとIHの最新機能を知っていれば」と感じる人もいるので、情報収集は念入りにしたいですね。
SNS時代の情報収集法―自分に合う声を見極めて
いまやX(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどで「IH・ガス比較」の体験談を簡単に探せる時代です。
私自身も、お客様の希望に応じてリアルなSNS口コミを一緒にチェックすることが多くなりました。
ただし、SNS上の口コミは「極端な体験」が拡散されやすい傾向も。
実際には“あなたの家庭環境”や“料理の好み”によって最適解は違います。
あなたもネットの声をうのみにせず、「自分がどんな暮らしをしたいか」考えながら情報を集めてみてはいかがでしょうか?
それぞれのデメリットと「後悔しないための確認ポイント」
IHの“意外な弱点”とは?注意すべき落とし穴
IHは安全・時短・掃除が簡単……とメリットばかり語られがちですが、意外な“盲点”も存在します。
その最たるものが「停電時に全く使えなくなる」こと。
2022年の台風シーズン、千葉県のリフォーム顧客・長谷川さん宅では、強風による停電が数時間続き、料理どころかお湯すら沸かせず困り果てたそうです。
その時、「やっぱりガスコンロを一口だけでも残しておけばよかった」と本音がこぼれました。
また、IH対応の鍋・フライパンしか使えないことも、購入後に「えっ!?」と驚く方が毎年一定数いらっしゃいます。
2024年4月に実施した自社アンケート(東京都・埼玉県のIH導入30世帯対象)では、全体の約40%が「鍋を買い替えた経験あり」と回答。
お気に入りの土鍋や銅鍋、アルミ製フライパンなどが使えなくなり、「もっと事前に確認しておけば…」という声が絶えません。
ガスコンロの“安全対策”は本当に十分?
一方、ガスコンロにも“時代遅れ”なイメージや安全面の懸念がつきものです。
ですが、近年のガスコンロは「Siセンサー付き」で“消し忘れ防止”や“立ち消え自動ストップ”など、安全性が大幅に向上。
特に、リンナイやノーリツの最新モデル(2023~2024年発売)は「鍋なし検知」や「グリル自動消火」も標準装備です。
私の現場経験でも、高齢のご夫婦が「ガスは怖いと思ってたけど、センサー付きなら安心」と決断されたケースが増えています。
とはいえ、完全にリスクゼロにはなりません。
2023年の東京消防庁火災統計によると、住宅火災の出火原因の第3位が「ガスコンロ」。
火のそばを離れたり、調理中にうっかり袖が触れてしまったり――“ヒヤリ”とする場面はやはりガスの方が多いのです。
だからこそ「安全機能付きモデルを選ぶ」「調理中は必ず誰かがキッチンにいる」など、家庭ごとに工夫が求められます。
“音”と“熱さ”の違いが意外なストレスに?
IHは運転中に「ウィーン…」というファンの作動音が出ることがあります。
「静かなキッチンが好き」という方には気になるポイントかもしれません。
また、IHはキッチンが熱くなりにくい半面、強火料理の際に「鍋底だけが高温で側面があまり温まらない」という特性があります。
「チャーハンをあおると火力が落ちる」「フライパンを振りながら調理したいけど加熱が途切れる」と感じる人も一定数います。
ガスは“ボッ”という着火音や“ゴー”という炎の音が調理の“ライブ感”として好まれる一方、夏場のキッチンは想像以上に熱気がこもります。
家族でキッチンに集まる場合、「もうちょっと涼しい方がいいのに」と思った経験、ありませんか?
「どちらも一長一短」だからこそ“複数口”も検討してみよう
ここ数年、IHとガスを「併用」するご家庭も増加傾向です。
たとえば「2口IH+1口ガス」や「IH3口+カセットコンロ常備」など、ライフスタイルに合わせて使い分けるアイデア。
特に戸建て住宅や広めのキッチンでは「普段はIH、災害時や特別な料理はガス」というハイブリッド型を選ぶ方もいらっしゃいます。
実際、神奈川県川崎市のT様邸では、主な調理はIHで行い、週末のBBQや停電時のために小型ガスコンロも設置。
「両方あることで“備え”の安心感が違う」と語っていました。
あなたも“どちらか一択”に縛られず、「両方のいいとこ取り」を検討してみてはいかがでしょう?
「健康・エコ」の観点から見た選択肢
IH調理による“電磁波”の影響は?現実のデータを解説
「IHは電磁波が心配…」というご相談、いまだに年配の方を中心に根強くいただきます。
結論から言えば、2020年の経済産業省の発表では「家庭用IHクッキングヒーターから発生する電磁波は、国際基準値を大幅に下回る」とのこと。
たとえば、IHの電磁波(磁束密度)は機器表面で最大0.2マイクロテスラ程度で、これはドライヤーや掃除機よりも低い数値です。
(測定方法:機器表面1cmの距離、最大火力運転時)
また、IH調理時に人体への影響が科学的に実証された事例はこれまで国内外で報告されていません。
ただし、心臓ペースメーカーをご利用の方は事前に主治医やメーカーへの相談が必要です。
あなたも気になる場合は、専門家や自治体の相談窓口に問い合わせてみましょう。
ガス調理の“空気環境”への影響
ガスコンロで気を付けたいのが「室内の空気環境」。
東京都健康安全研究センターの調査(2022年)によれば、ガス調理中の二酸化炭素濃度はIH調理の約3倍、窓を閉め切った場合はCO(一酸化炭素)も微量ながら増加するというデータがあります。
特に冬場の閉め切ったキッチンでは「換気扇を回し続ける」ことが大切です。
「最近、調理中に息苦しい」「キッチンで頭が痛くなる」という人は、ぜひ換気の仕方も見直してみてください。
エコロジー観点で言えば、IHは再生可能エネルギーを使える一方、ガスはCO2排出量が多め。
ただし、都市ガス供給のインフラがしっかりしている地域では「安定した供給が魅力」という声も多いです。
家事シェア・子どものお手伝いに向くのはどっち?
家事を夫婦や家族で分担する時代――「子どもに料理を手伝わせたい」「パートナーにも安全に使ってほしい」と考えるご家庭も多いでしょう。
実際、私の知人の家庭(埼玉県春日部市・4人家族)では、IH導入後に小学生のお子さんが積極的に朝食作りを手伝うようになりました。
「火が見えないから怖くない」「スイッチを切ればすぐ冷める」など、心理的なハードルが下がったとのこと。
一方で、ガスコンロも最新モデルなら「消し忘れ防止」「音声ガイダンス付き」などで、小学生~高齢者まで直感的に使える工夫が増えています。
あなたのご家庭では、家事シェアの将来像をどう考えていますか?
補助金やキャンペーンも要チェック
リフォームの費用負担を軽くしたい方には「補助金」や「キャンペーン」も見逃せません。
2024年現在、各自治体や省エネ関連の国補助金制度で「IHクッキングヒーター導入支援」「エコキュート併用補助」などが実施されています。
たとえば、東京都の省エネ住宅改修補助金では、IH設置費用の最大20%(上限8万円)が助成対象となるケースも。
ガス会社各社も「最新ガスコンロ導入でギフトカード進呈」など独自のキャンペーンを展開中です。
リフォーム業者や家電量販店に相談すれば、手続きのサポートや最新情報を教えてくれるので、積極的に活用してみましょう。
ちょっとした工夫で、想像以上に費用を抑えられるかもしれません。
あなたの暮らしに“しっくり”くる選択を
キッチンリフォームで「IHかガスか」迷うのは、とても自然なことです。
それぞれに魅力と課題があり、絶対の正解はありません。
大切なのは、今の自分や家族の暮らし方、これからの変化を想像して“しっくりくる”選択をすることだと、私は現場を重ねるたびに実感しています。
たとえば、安全を最優先したい方、家事をラクにしたい方にはIHがピッタリです。
一方で、調理のライブ感や強い火力、自由度にこだわりたい方はガスの魅力も捨てがたいでしょう。
「迷ったら両方使う」という柔軟な発想や、補助金制度を上手に活用する方法もあります。
あなたの理想のキッチンが、毎日をもっと心地よくしてくれる――そんなリフォームになることを願っています。
一歩踏み出せば、未来の暮らしは必ず変わります。
迷ったら、ぜひもう一度この記事を読み返してみてください。