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キッチンリフォームにかかる期間と工期の目安

「キッチンのリフォームって、どれくらい時間がかかるの?」
多くの方が最初に気になるのは、やはりリフォーム期間や工事の流れではないでしょうか。
毎日使う場所だからこそ、工事中の生活がどうなるのか、いつからいつまで使えないのか――心配や不安が尽きませんよね。
特に小さなお子さんがいたり、共働きだったりするご家庭では「できるだけ短期間で終わらせたい」と感じるのが本音でしょう。

私も現場で「あと何日我慢すれば使えるようになりますか?」「お弁当生活が長引くのは困る…」と相談されることが何度もありました。
実はキッチンリフォームと一口にいっても、その内容や規模によって必要な日数は大きく異なります。
簡単な設備交換なら数日、フルリフォームなら2週間以上かかることも。
また、予期せぬトラブルや追加工事で予定が延びてしまうケースもあるのです。

このページでは、実際の工期の目安や具体的な流れ、短縮のコツから“やっておいて良かった”と思える準備ポイントまで、プロの視点で徹底解説。
「工事期間が不安…」という方も、読んだ後はきっと納得できるはずです。
あなたの暮らしを止めないリフォーム計画、その第一歩を一緒に考えていきましょう。

キッチンリフォームの工期、実際の流れと日数の目安

部分リフォームとフルリフォームの違い

キッチンリフォームの期間は、工事の“範囲”によって大きく異なります。
例えば「ガスコンロだけ交換」「レンジフードの入れ替え」といった部分的なリフォームなら、最短1日、遅くても2〜3日で完了するケースが多いです。
一方で、「キッチン本体の入れ替え」「壁・床・天井の張り替え」「間取り変更」などを伴うフルリフォームの場合、平均で5日〜10日、内容によっては2週間以上かかることもあります。
私が担当した2024年の現場では、一般的なシステムキッチンの入れ替えで6日、壁付けキッチンを対面式に変更した場合は12日かかった事例がありました。

一般的な工事の流れ

  1. 養生・解体作業(1日〜2日)
    まずは周辺の床や廊下、家財をしっかり保護(養生)したうえで、古いキッチンや壁・床の解体を行います。
    解体だけで終わることもありますが、築年数が古い場合は配管や下地の状況チェックにも半日〜1日かかることがあります。
  2. 配管・配線・下地補修(1日〜2日)
    新しいキッチンに合わせて水道・ガス・電気の配管や配線をやり直します。
    必要に応じて床や壁の補修、断熱材の追加もこのタイミングで実施。
    「配管が腐食していた」「床下に湿気やカビがあった」などの想定外が発覚すると、追加で1〜2日延びることも。
  3. キッチン本体の組み立て・設置(1日〜2日)
    新しいシステムキッチンやカウンター、収納棚を組み立てて設置します。
    大きなパーツは現場で組み立てるため、部材の搬入経路確保も重要です。
    メーカーの標準工事であれば1日〜1.5日、カウンター一体型やアイランド型は2日かかることもあります。
  4. 内装仕上げ(1日〜2日)
    クロスやフローリング、クッションフロア、タイルなどの内装工事を実施します。
    特に古い家の場合、下地の傷み補修が増えると仕上げ工程も延びやすいです。
    また、最新の防汚クロスやフロアタイルは短時間施工も可能ですが、乾燥時間が必要な材料もあります。
  5. 電気・ガス・水道の接続調整(半日〜1日)
    最後に、設備機器の接続・試運転・細かな調整を行い、不具合がないか動作確認します。
    コンセントや照明スイッチの増設もこのタイミングです。
  6. 清掃・引き渡し(半日)
    作業後は現場を清掃し、完成したキッチンの使い方説明や保証書の手渡し、問題がなければ引き渡しとなります。

工期が伸びやすいケースとその理由

工事中は想定外の出来事もつきものです。
たとえば、「解体したら配管が規格外だった」「壁内にアスベストや断熱材の劣化があった」「床下の補強が必要になった」など、当初予定していなかった追加工事が必要になると、日数は一気に延びます。
実際、私が担当した築40年の一戸建てでは、給排水管の大部分を新しくすることになり、予定より3日長くかかりました。
また、天候不良による材料搬入の遅れや、連休・年末年始・お盆前後は職人さんの手配がつきにくく、工期が後ろ倒しになる場合もあります。

メーカー・設備の納期とスケジュールの関係

2025年現在、人気のキッチンメーカーやモデルによっては注文から納品まで2〜3週間以上かかることも珍しくありません。
特にこだわりのオーダー品や海外製品を選ぶ場合は、発注から1ヶ月〜2ヶ月待ちとなるケースも。
リフォーム会社と打ち合わせする際は「工事開始日」だけでなく「商品納期」も必ず確認し、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。
例えば「3月の繁忙期は納期が延びやすい」「天候の悪い時期は工事が遅れがち」といった傾向もあるので、時期選びもひとつのポイントになります。

仮設キッチン・生活への影響

工事中はキッチンが使えなくなる期間が必ず発生します。
フルリフォームの場合、最低でも5日間、多くは1週間ほど自炊が難しくなります。
現場によってはシンクやコンロだけ“仮設”で設置してくれる場合もありますが、作業スペースが狭くなったり、ガス・水道が一時的に使えない日が出てくることも。
「電子レンジや電気ケトルで乗り切った」「近所のお弁当屋さんにお世話になった」など、事前に“工事期間中の食事計画”を立てておくとストレスが減ります。
また、共働き世帯や小さなお子さんがいる場合は、実家や親戚の家に一時避難する方も増えています。

実際の現場から見る、よくある工期例

  • システムキッチン本体の入れ替えのみ…4〜6日
  • キッチン+内装(床・壁・天井)…7〜10日
  • キッチンの位置変更や間取り変更を伴う…10〜14日
  • 部分リフォーム(コンロ・水栓交換のみ)…1〜2日

「思ったより早く終わった!」という声もあれば、「予想外に長引いた…」と感じるケースもあり、日数の“幅”が大きいのが実情です。
事前に現場調査をしっかり行い、追加工事や予備日の設定など“想定外”にも柔軟に対応できるよう備えておくことが、失敗しないリフォームの秘訣です。

工事期間を短縮するためのコツ

事前準備とスムーズな意思決定

リフォーム工期を最小限に抑えるためには、契約前の段階で「プラン内容」「仕様」「設備」をきちんと決めておくことが大切です。
「やっぱりこっちがいい」「色を変えたい」と工事中に仕様変更が多いと、そのたびに工事ストップや材料再手配となり、結果的に工期が延びてしまいます。
ショールームで実物をしっかり確認し、「これで間違いない」と納得してから発注するようにしましょう。

複数業者の比較で“段取り力”をチェック

リフォーム会社によっては、現場監督や職人の手配力、工程管理の精度に大きな差があります。
「複数の現場を掛け持ちしていて遅れがち」「職人が足りず待ち時間が多い」といった業者は、工期の遅延リスクも高め。
見積もり時には、過去の工事実績や口コミ、工程表のサンプルなどもチェックポイントに加えましょう。
実際、私がサポートしたお客様でも、スケジュール通りに進行した現場は「担当者が毎日現場を見に来て、こまめに進捗を報告してくれた」との共通点がありました。

“予備日”の設定で心に余裕を

どんなに計画的に進めても、リフォームには「想定外」がつきものです。
引っ越しや他のリフォームと重なる場合は、予定終了日の2〜3日後に“予備日”を設けておくと安心。
「今日で終わると思ったのに…」と慌てるより、少し余裕を持ってスケジューリングしておく方がストレスも少なくて済みます。

家族と相談しておきたい生活の工夫

工事期間中は、普段通りの生活ができなくなります。
「洗い物はどうする?」「朝食やお弁当はどう乗り切る?」――こうした生活面の工夫も、リフォーム前に家族で話し合っておくことが大切です。
ポータブルコンロや簡易シンクのレンタル、電子レンジ・IHクッキングヒーターの活用など、できるだけ負担を減らす方法も選択肢に入れておきましょう。
また、ゴミ出しや食器洗いのタイミング、作業エリアへの立ち入り制限なども、あらかじめ家族みんなでルールを決めておくとスムーズです。

工期に関する“よくある疑問”Q&A

Q. 工事期間中、住みながらでも大丈夫?

A. 多くの場合、キッチンリフォーム中でも家に住み続けられますが、工事の騒音やホコリ、生活動線の制限は避けられません。
小さなお子さんやペットがいるご家庭は、一部の期間だけでも実家やホテルに避難するケースもあります。

Q. 工期が延びる原因で一番多いのは?

A. 一番多いのは“追加工事”や“仕様変更”です。
また、古い建物ほど想定外の下地補修や配管交換が増える傾向にあります。

Q. 短縮する方法は?

A. 事前のプラン決定とスムーズな業者選び、商品の納期確認がカギです。
複数業者で相見積もりをとり、工期の早さだけでなく段取り力も比較しましょう。

キッチンリフォームのスケジュール事例と注意点

実際のリフォームスケジュール例

【例1】マンションでのキッチン本体入れ替え

  • 1日目:養生、既存キッチンの解体撤去
  • 2日目:配管・配線の移設、下地補修
  • 3日目:新規キッチン組み立て、設置
  • 4日目:内装(クロス・床材など)仕上げ
  • 5日目:設備機器の接続・最終調整、クリーニング、引き渡し

【例2】戸建てでレイアウト変更+内装全面リフォーム

  • 1~2日目:養生、既存キッチン・壁・床の解体撤去
  • 3日目:配管・配線・下地補修
  • 4~6日目:新規キッチンの組み立て・設置
  • 7日目:壁・天井・床の仕上げ
  • 8日目:設備機器の接続・調整、クリーニング、引き渡し

マンションの場合は構造上、水道や排気ダクトの移動に制限があり、大きな間取り変更にはさらに日数を要します。戸建ては配管や壁の補強、断熱工事などの追加で1週間以上かかることも。天候や近隣との調整次第で日数に“幅”が出るため、スケジュールには余裕を持って計画しましょう。

工事期間中の“想定外”を減らすために

工事が始まると「思ったより音やホコリが気になる」「工事関係者の出入りで家族の生活リズムが崩れる」といった意外な悩みも出てきます。
たとえば、職人さんが朝8時過ぎから来る現場や、床養生のために廊下が通りにくくなる場面も珍しくありません。
子どもの送り迎えやテレワーク、ペットの安全など、細かな生活動線も家族で共有しておくと安心です。
また、追加工事が必要になった場合の「見積もり再提示」「工事再開までの日程調整」も、あらかじめ業者と確認しておきましょう。

業者選びと工事管理で失敗しないために

現場監督や担当者がしっかりしている業者は、毎日の工事進捗をきちんと説明してくれる傾向があります。
特に「今日は何の工事をするか」「明日は何時に作業が始まるか」など、こまめに連絡をもらえるだけでも安心感が違います。
また、工事中の気になること(工事の騒音・職人さんへの差し入れ・防犯面など)も遠慮せず相談しましょう。
細かなコミュニケーションが、トラブルやストレスを未然に防ぎます。

追加工事やアフターサービスについて

工事期間中に予想外の不具合や修理箇所が発見される場合もあります。
その際は「どのくらい追加日数が必要か」「費用はいくらかかるか」必ず書面やメールで確認しましょう。
また、リフォーム完了後のアフターサービスもチェックが大切です。
保証期間や定期点検の有無、トラブル発生時の連絡先などを事前にまとめておくことで、リフォーム後も安心して暮らせます。

よくあるQ&Aからわかる工期のリアル

Q. どうしても早く終わらせたい場合、何か方法はある?
A. 仕様や間取りを極力シンプルにしたり、標準工事範囲に収めることで短縮可能です。既存の配管・配線を生かす、人気モデルではなく在庫のある商品を選ぶのも有効です。

Q. 工期中に自宅を留守にしても大丈夫?
A. カギの預かりや、工事エリアのみ入室制限を設けることで対応可能です。防犯上の管理方法も事前に業者と相談してください。

Q. 工期が予定より早く終わることはある?
A. 順調に進んだ場合や、天候・納品がスムーズな場合は早まるケースも。ただし、無理な工期短縮は仕上がりや安全性に影響するため、焦らず丁寧な工事を優先しましょう。

こんな時は要注意!工期トラブル事例

  • 「希望商品が納期遅延で到着しない」
  • 「追加工事が発生し費用・期間が増えた」
  • 「職人の手配がうまくいかず日程がずれた」
  • 「工事の進捗報告がないまま工期だけ延びた」

こうしたトラブルを防ぐためにも、こまめな打ち合わせや連絡体制、予備日の設定がポイントになります。

これから工事を迎えるあなたへ

キッチンリフォームの工期は決して“一律”ではありません。
お住まいの状況、選ぶプラン、タイミング、そして“家族の暮らし方”によっても変わります。
自分たちに合った工事スケジュールを作るためにも、見積もりや現場調査の段階から「どのくらいの期間がかかるか」「どんな生活の工夫ができるか」を業者としっかり話し合いましょう。
工事が始まれば一時的な不便もありますが、その先には新しい快適なキッチンライフが待っています。

まとめ:工期を知ればリフォームはもっと安心に

キッチンリフォームの期間や工期は、「どんな工事を、どこまでやるか」によって本当にさまざまです。
部分的な設備交換なら最短1日で終わることもあれば、本体交換や間取り変更を含むフルリフォームでは1週間〜2週間、さらに追加工事や商品納期の影響で予定より長くなることもあります。
ですが、“先に流れと日数の目安を知っておく”ことで、不安やストレスは格段に減らせます。

大切なのは、現場調査や事前の打ち合わせでしっかり確認し、家族や業者と情報を共有すること。
工事中の生活の工夫、工期中のルール決め、そして予備日や追加対応も最初から視野に入れておくことで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防げます。
また、工事の進捗や変更点はこまめに確認し、小さな不安も遠慮せず相談してください。

リフォームの先には、使いやすく、家族みんなが集まる新しいキッチンの時間が待っています。
今の不安も、正しい知識と準備で「楽しみ」に変えていきましょう。
あなたの新しいキッチンライフを、心から応援しています。

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